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☆へっぽこノベリストの部屋☆

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第十二章 味方

きい、て?



アナタの味方なの


信じて・・・

第十二章 味方


「え・・・?」
幽は不思議そうな顔をして煮物4世を見る。
その傍らで、血を流した雫が、煮物四世を睨んでいた。




「お前を、殺して、生き人形にするためにだ。」





「えっ・・・」



幽はその言葉の意味が判らなかった。



「幽・・・」
雫が幽を呼ぶ。

「逃げるぞっ!」


雫は幽の手をつかみ、移動する。



逃げて、逃げて、逃げて。










一匹のアメノヒグラシがいる島に到着する。
そこには、


まつのき。






「雫!?幽、お前が何で雫と一緒に・・・?」



雫はまつのきを一瞥すると、まつのきに怒鳴った。
「隠れる場所!ないのか!?隠れる場所!煮物に殺されちまうぞ!」







「・・・!」

いつもの、ものしずかな雫ではなく、



もっと、激しい、「何か」


何かを守ろうとするような、そんな感じだった。






「こっ、こっちへ来い」

まつのきが、コケと岩に覆われた地下室への入り口を開ける。

そこには、扉と、階段が果てしなく続いていた。



まつのきが静かに告げる。


「ここが、俺の、隠れ家だ。でも、何で煮物に・・・?」
「知るか!さっさと入れろよ!」

まつのきは困惑した表情を顔に浮かべて,こう言った。

「確かにここは追跡防止機能が掛けられているけども・・」
「ねぇ。まつのき、大変なの。事情はせつめいするからさぁ、いれて?」


「わ、わぁったよぉ。」



三人は、闇と静けさに閉ざされた地下室への階段を下りていった。


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